相当前にエアーズロックへ上ったことがある。
調べてみたら2003年のことになる。
その後、登頂禁止になったというウワサを聞いたが、それは風聞だったようだ。
しかし、今回は間違いなく禁止になる。

前日、ヘリで上から望んだウルルは壮大であった。
オーストラリアに来たら一度は観ておく場所であろう。
当日は風が強く登頂禁止になったが、昼近くに風が収まったということで解禁になった。
小さな水たまりにカブトガニが生息している。
真夏になればひえあがって水分は消える。
このカニどうやって生き延びるのだろうと不思議に思った。
実際ウルルに登った人の多くがその不思議ついてブログにつづっている。
コンパクトデジカメで撮ったがほとんど映っていなかった。
さほどに小さなカニである。
大きかったらこんな過酷な自然条件では生き延びられないであろう。

● google画像から
ここは砂漠の真ん中である。
ヘリから眺めれば一目瞭然の赤茶けた大地が無限に広がっているところである。
どこにこんな量の水があるのだろう。
「貴重な水です、節水にご協力」とあってしかるべきところである。
それがなんと大きなプールがあるのである。

● google画像より
どうなっているのだろう、と頭を悩ませた。
このこたえはアニメにあった。
「風の谷のナウシカ」である。
地下に水脈が眠っているのである。
それをこのアニメで知った。
「風の谷のナウシカ」にはウルルが舞台になっている。
もしエアーズロックへ行かれる方がいるなら、前もってこのアニメを観ておくことをお勧めする。
登頂しなくても十分に楽しめる処である。
『
ニューズウイーク 2019年7月17日(水)19時00分 松丸さとみ
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/07/post-12556.php
アボリジニの聖地「登らないで」の声を無視、
禁止前に駆け込み客が殺到

●ウルル(エアーズロック)に多くの人が押し寄せている Guardian News-YouTube
<オーストラリアの世界最大規模の一枚岩「ウルル」(エアーズロック)が、
今年10月26日から登山が禁止されるため、今のうちに登っておこうという「駆け込み客」が殺到し問題となっている......>
■インスタ映え狙い、観光客が殺到
「ウルル」はオーストラリア中央部に位置する、世界最大規模の一枚岩だ。
「エアーズロック」という名の方がピンとくるという人もいるかもしれない。
標高863メートル(地表からの高さは348メートル)、外周9.4キロのウルルと、その一帯の地域ウルル・カタ・ジュタ国立公園は世界遺産で、自然遺産と文化遺産の両方に登録されている。
文化遺産は、この地域を管理しているアボリジニであるアナング族の文化や信仰も対象としたものだ。
アナング族の人たちにとって、ウルルは聖なる場所だ。

そんなウルルに今、大変なことが起きている。
今年10月26日から登山が禁止されるため、今のうちに登っておこうという「駆け込み客」が殺到しているのだ。
米ワシントン・ポスト紙は、ウルルにはインスタ映えを狙ってたくさんの人が押し寄せ、まるで今年5月に話題になった、
人で渋滞を起こしたエベレスト山のようだ、と伝えている。
ウルルがある地元ラジオ局ABCアリス・スプリングスのアナウンサー、ローハン・バーウィックは7月10日、「マジで頭おかしい」とのコメント付きで、2日前のものというウルル登山客の写真をツイッターに投稿した。
さらに、「登山客は(混雑で)肩と肩が触れ合うくらいだったらしい。非常に危険」ともツイートした。

■ウルルの中で用を足す人まで......
ワシントン・ポストによると、2017年には1日の登山者数は140人程度だったが、現在は500人ほどに膨れ上がっている。
10月に向けてさらに増える見込みだ。
ウルルの混雑は周辺のキャンプ場にも影響しており、現地の様子を見た人は、「キャラバンに次ぐキャラバンで、まるでイモムシの行列みたいだった」と同紙に語った。
豪公共放送のABCは、近隣のキャンプ場が定員を超えてしまっているため、道路脇で違法にキャンプする人が出ていると伝えている。
道路脇でのキャンプを悪いことと捉えていない人が多いようだが、実際は保護区域でのキャンプとなり違法だという。
適切な設備を使わないうえ、ごみが不適切なところに捨てられるなどの問題も起きている。
ウルルから100キロ離れたキャンプ場でも、利用客は前年比20%増となっており、使用済みトイレットペーパーや汚物などを道路脇に捨てていく人がいるという。
また、トイレはウルルのふもとに1つあるだけだが、排水管が詰まっていたという話もある。
英ガーディアン紙によると、一旦登り始めると、ウルルの中にはトイレがない。
そのせいで、岩の中で用を足してしまう人もいる。
さらに豪ニュースサイトNews.com.auは、たくさんの観光客が登ることで、ウルル自体も損傷を受けている、と報じている。
大きな白い傷が、遠くからでも見えるというのだ。
■「ディズニーランドではない」聖なる場所
ウルルを含むこの地域一帯は、1985年10月26日にアナング族が所有権を取り戻し、管理している(ただし同年から99年間は豪政府に貸し出し中)。
これまで、アナング族の人たちは自分たちの聖なる場所に登らないでほしい、と観光客に再三訴えてきたが、登山する人は後を絶たない。
国立公園への入場料(大人25豪ドル)はアナング族の貴重な収入源になるため、登山を厳しく禁止できない苦しい現状があったようだ。
ウルル登山口の前には、「登山は禁止されていません。しかしウルルに登らないことで、私たちの法と文化を尊重してくださるようお願いします」と書かれた看板が立っている。
ウルルのふもとを歩いてこの場所への理解を深めてほしい、とも書かれている。
観光客はこの看板を通り過ぎ、ウルルに登ることになる。
ウルル・カタ・ジュタ国立公園の管理委員会は2017年、全会一致で登山の禁止を決定した。
News.com.auによると当時、管理委員会会長でありアナング族のメンバーでもあるサミー・ウィルソン氏はこの投票に先立ち、次のようなスピーチをしたという。
「ここは非常に重要な場所です。
ディズニーランドのような遊び場でもテーマパークでもありません。
もし私が他の国へ行き、神聖な場所や立ち入りが制限されている場所があったら、入ったり登ったりせずに、尊重します。
この場所はアナングにとっても同じ。
私たちは観光客を歓迎します。観光を止めたいわけではありません。
ただ登るのをやめてほしいのです」
』