2019年7月7日日曜日

2019 ゴールドコースト・マラソン(3):ベアフットシューズで走ったハーフマラソン

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● 疲労困憊ゴール200m手前にて 

  今朝は昨日より体調はいい。
 眼が回ることもなく、足と体がふらつくこともない。
 とはいえ、例年はレース前に2キロほど軽く走ってウオーミングアップするのだが、今年はそれをやる勇気はなかった。
 天候は曇りで風はない。
 寒くもなく暑くもなく条件的にはいい方だろう。
 昨日の状態から比べれば極楽である。
 昨年同様に集団がスタートし終わってから、ゆっくりと出発である。
 無理せずに集団を追いかける。
 昨年と違って、道路際にキロ表示がまったくない。
 やめてしまったようだ。
 よって自分がどのくらいのペースで走っているのかまったく掴めない。

 7,8キロくらいだと思うがトップ集団とすれ違った。
 十数人の集団で先頭は佐藤祐基である。
 特徴ある走りなのですぐに分かった。

 10kmの表示はあるが、ここはタイムチェックの場所である。
 チェックはここと20kmにあり、ここを通過しないとカウントされない。
 手元の計時で「1時間07分14秒」。
 とてつもなく遅い。
 キロ6分43秒かかっている。
 そこそこで走っているとは思うのだがうまくいってないようだ。
 これではとても目標の2時間15分などには届かない。
 少しづつでもスピードを上げていく。
 15kmをチェックしたいのだが、表示がないためそれができない。
 20kmチェックだと、残りはあと1.1kmのなってしまう。
 18kmすぎ、ペリカンシーフードを通過するころから足の疲労が急激に加速度を増す。
 「残り3km」と呪文を唱えて20kmを通過する。
 この間の10kmは「1時間04分04秒」。
 キロ6分半を切っている。
 しかしここでもうダメである。
 20キロまで来たという安心感なのかもしれない。
 足が動かない。
 「歩こうかな」と思うほどである。
 でも「Don't walking!」をつぶやきながら、取り付け道路にまでどうやらこうやらたどりつく。
 あと300m、250mゲートをくぐればゴールはあとわずかである。
 地獄の300mであった。
 ゲート上に取り付けられた電光掲示板の表示タイムによる「2時間30分」へのカウントダウンが始まっている。
 「9、8、7,6、5」とアナウンサーのカウントを聞きながらゴールに入った。
 2時間30分をわずかに切っている。 
 キロ7分をオーバーするラストの1キロ少々である。
 (注:正式 GUN TIME は「2:29:46」である。ということは電光掲示板の表示は10秒少々早くなっている。スタートは10分40秒ほどの遅れということになる。)

● 「地獄の300メートル」を抜けてゴール

 手元の計時では「2時間19分07秒」である。
 「キロ6分35秒」になる。
 これ実にワーストタイムである。

10km:1時間07分14秒  キロ 6:43   
20km:2時間11分20秒  キロ 6:24
FINISH:2時間19分07秒  キロ 7:04

 昨年はベスト記録を作りキロ6分を切っている。
 この時はビリからスタートして3千人くらいを抜いてのゴールであった。
 ただひたすら抜き続けるレースであった。
 だが今年はまるで違う。
 ラストの2,3キロは歩き始めているランナーは別にして、走っているランナーにはただただ抜かれる展開になってしまった。
 キロ7分を超えればそうなってしまう。
 結果としてランニングを再開した年にあたる2015年に出した「2時間16分43秒」というのがこれまでのワーストであるが、今年ははるかに3分以上も遅い。
 昨年はベストタイムで2時間04分31秒で走っているから、今年はそれより15分ほども遅いことになる。
 「15分!」である。
 もうとんでもなく何をか言わんや、である。
 完走でき、2時間20分を切った、というだけの「慰めレース」であった。
 体調が万全でなかったことと、それよりベアフットシューズを使ったというのが原因だと思う。


 ● 完走Tシャツ

 10kmの手前のパラダイスポイントのメインロードには車の速度防止のために凸形状が6カ所ある。
 往復だと12カ所である。
 いつもここでつまずき転びそうになる。
 でも今日はベアフットを履いていたのでまるでそんな心配もなく通過できた。
 また、例年後半に入ると2か所くらいでランナーが倒れ、アンビランス(救急車)に収容されている。
 今年はこれを4か所でみた。
 最後は20km手前である。
 救急車は今年大忙しではなかったろうか。
 私がそれに乗ることはなかった。


【ベアフット・シューズでのハーフマラソン】



計 57km

 初めてのベアフットシューズでのハーフマラソンである。
 「転ばないシューズ」として選んだものである。
 結論から言うと「ベアフットシューズはマラソンには向かない」である。
 4カ月300kmを走り込んでいる。
 慣れるには十分であろう。
 練習ではそこそこ走れたのになぜ本番でダメなのか。
 走り終わったあと足の裏と足の指がつった。
 ひさしぶりの症状である。
 それだけ足の裏を酷使したということであろう。

 本番は足への負荷が格段に大きいということである。
 一般のランニングシューズならその負荷を軽減してくれるようにできている。
 ベアフットにはそれがない。
 底が薄いので衝撃や路面の変化がもろに足を襲ってくる。
 その負荷とは何か。
 考えてみるに2つほど理由がある。
1:本番では人の壁を抜けるため、歩道側を走ったり中央車線側を走ったりと蛇行しながら走ることになる。
 これがじわじわと足をむしばむ。
2:また同じく人の壁を抜けるために、一瞬スピードを上げて前の人の薄い処へ出ることがある。
 これがペースを狂わすのである。
 よりシンプルに言うと、「ベアフットは集団で走るとダメージが大きい」ということである。
 練習で走れたからといって本番も、とはいかないのがベアフットシューズのようである。
 このことを今回勉強させてもらった。
 「転ばないシューズ」としてベアフットを使っているのでなかなかやめずらい。
 齢とともに足があがらなくなる。
 すると摺り足になり、つまずいて転び易くなる。
 転びを防ぐには底の薄いベアフットは有効である。
 よって転んで怪我でもしたらと思うと使用をやめる決断はつきかねる。
 今後、どのようにベアフットと向き合っていくのかはランニングをする上で大きな宿題となりそうである。
 このまま使い続けて、十分な走り込みをして足に馴染ませ来年もこれで挑戦してリベンジを目指すか、それとも本番はキッドシューズに履き替えてタイムを狙うか、などいろいろである。

 

【公式記録】


 ハーフ参加者は約8,700人ほど。
 私の順位は6,100位ほどである。
 つまり1,600人くらいは抜いてきたことになる。
 昨年は3,000人くらい抜いたことと比べると今年は半分強ということになる。
 年齢別カテゴリーでは「17/33(男子)」で中ほどということになる。
 「75--79歳(男子)」カテゴリーの参加者は8人である。
 「80歳以上(男子)」は4人である。

■ハーフの上位10位までの結果は下記になる。


  佐藤祐基は2位、服部勇馬は3位である。
 2位から8位までが日本人である。


【令和初レース、「ワーストタイム樹立くやしい会」】
 翌日、打ち上げをやった。
 10日ぶりくらいのお酒である。
 私もカミさんの最悪の記録となったので名称を「ワーストタイム樹立くやしい会」とした。
 場所はいつもの異世界居酒屋「希実」である。
 ここの店の入り口にはドアがない。
 透明ビニールの長暖簾をくぐると店内となる。

 量が多いことを忘れて注文したら食べきれなかった。
 一品はお持ち帰り用にしてもらった。

 これで毎年恒例の最大イベントが終わって区切りがついた。
 そして今年は「令和、初レース」でもあった。
 カミさんはワースト記録に衝撃をうけ、逆に発奮して「来年こそわ」という。
 どんどん元気になる。 
 私はベアフットシューズかキッドシューズかで考えが行ったり来たりである。
 それより来年から年齢カテゴリーが一つ上がる。
 果たして一年後にそのカテゴリーで走ることができるのか、あまり自信はない。
 えらく遠い話ではあるが。 
  



【 2019 残りの時、好きにおやり 】
 

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