2019年5月24日金曜日

オーストラリア シチズンシップ:二重国籍に罰則規定はない

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● オーストラリア シチズンシップ

「NICHIGO PRESS  6月号」にオーストラリア・シチズンシップの特集があった。
 その一部をコピーしてみる。








 シチズンシップ取得の段取りは3段階である。
1].書類申請
2].面接テスト
3].集団宣誓
 まずは書類申請であるが、日本並びにオーストラリアの必要書類をあつめて申請する。
 要求された日本の書類のなかで面白かったのは、「無犯罪証明書」で、警察から発行してもらい添付することである。
 書類申請をすると書類審査が行われ、合格すると面接・テストへと進む。
 テストについては NICHIGO PRES を参照してください。
 テストに合格すると、宣誓になる。
 アートセンターのパラダスルームにあつまり、集団宣誓して、そのあと登段して市長から上記のシチズンシップ証を受領する。
 これでオーストラリア国民になる。

 宣誓式は年に2回行われる。
 初めの1回は欠席してもいいが、2回目を欠席すると、拒否したものとみなされ、しばらくシチズンシップの申請はできなくなる。
 宣誓にはキリスト教文言とそれ以外の文言があって、キリスト教信者でない人は無宗教の文言で宣誓できるようになっている。
 宣誓式には100人ほど集まる。
 やはり中国系が多く、2/3くらいを占める。
 日本人はというとまったくというほどにいない。
 息子が数年前に取得したときの日本人は息子一人であった。
 日本人にとって日本は離れがたい故郷なのだろう。
 つながっていたいという民族意識がしっかりと根を下ろしているということである。

 最初の宣誓式に息子は欠席している。
 この時、日本=ドイツのワーキングホリデイがからんでいた。
 ドイツに出発した6日後が初回の宣誓日だったのである。
 たった一週間ほどのことなので通常なら出発をずらして、宣誓後にでかければいいはずであるのだがそれができなかった。
 ワーキングホリデイのドイツ入国日がギリギリであり、一週間ずらすとワーキングホリデイそのものが無効になってしまう状況にあった。
 年齢的にこれが最後のワーキングホリデイなので、是非ともドイツへ出かけたいということで宣誓式を欠席することになったのである。
 それから6ケ月後に2回目の宣誓式が行われることになった。
 これには是がひとも出席しないといけない。
 これを欠席すると、シチズンシップの取得が相当面倒なことになってくるということで、いったん戻ってくることになった。
 ところがこれもギリギリである。
 「明日の宣誓式には参加されますか」
というシテイカウンシルからの問い合わせ電話が家に入ってきたのである。
 「明日の朝、ゴールドコーストに着く予定ですので、参加します」
と答えるしかない。
 もし、航空便が遅れでもしたらどうなる?
 こういう時に限ってトラブルが発生するものである。
 まあ、考えないようにするしかない。
 翌朝、戻ってきた早々にアートセンターの式場に車をとばした。
 締め切りの10分ほど前になんとかかんとか受付を済ませた。
 
 シチズンシップ証、オーストラリア小旗、そしてレモンだったかの苗木をもらって、無事終了した
 オーストラリアの小旗は残っているが、レモンは枯れてしまった。
 そして3日後にはまたドイツに旅立っていった。
 まあ、せわしない市民権取得の日程であった。
 この2月から1年の予定で海外に出ている。
 オーストラリアのパスポートでである。
 なを、日本の国籍は残している。
 よって二重国籍になっている。
 二重国籍であっても罰則規定はないので、そのままにしておけばいいことである。
 自己申告しないかぎり、日本国籍は永遠です、といったところか。
 個人の心の問題ではあるが、日本国籍をいとも簡単に破棄してしまう人がいることに非常に疑問を感じる。
 不安定な時代に入っていく歴史にさしかかっており、選択肢を二重に三重に備えておくことは安全上必要なことのように思うのだが。
 安易に日本国籍を手放すべきではない。
 なを、蛇足だが二重国籍者は国会議員に立候補すべきではない。
 立候補は一国に国籍を絞ってからのことである。
 これは人としてごくあたりまえの常識的判断であろう。
 



 

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