2019年3月17日日曜日

「ニュージーランドの最も暗い日」:100人近い死傷者

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Record china配信日時:2019年2月20日(水) 7時40分
https://www.recordchina.co.jp/b688685-s0-c30-d0135.html

中国人学生が激減、焦るニュージーランド―中国紙

2019年2月19日、環球時報は、「中国人学生が激減、焦るニュージーランド」と題する記事を掲載。
ニュージーランドに留学する中国人学生の数が激減しており、学校の予算の圧迫と保護者の経済的負担増を招く可能性があるとする現地メディアの報道を伝えた。

記事は、ニュージーランド紙ニュージーランド・ヘラルドの18日付報道を引用。
ニュージーランド最大規模の中等学校であるリンギトト・カレッジの校長が
「今年は71人の中国人留学生を集めたが、その10%が最終的に入学をキャンセルした。
こんなことは前にはなかった」
と語ったことを紹介した。

ニュージーランド国際教育商業協会の関係者によると、昨年同国内の留学生数1万2400人に対して、中国人留学生は約半数の6000人程度だったという。
それが今年は急減し、昨年よりも20~30%、人数にして1200~1800人程度減る見込みとのことだ。
関係者は「本当の原因は分からないが、貿易や通信設備の紛争が影響しているのではないか」とその理由を分析している。

同国の中等学校協会会長は「一部の学校で海外の生徒から集めた収入を教師の援助、学校のスポーツやキャンプなどの活動に用いてきた。中国人留学生が減ってしまえば、課外活動の数も減らさざるを得ない」と語った。

記事によると、同国のヒプキンズ教育相は中国人留学生の減少について、他の留学目的地との競争や、中国国内の教育体系改善、中国にあるインターナショナルスクールの増加といった要素によるものとの見方を示している。



サーチナニュース 019-03-15 15:12
http://news.searchina.net/id/1676737?page=1

中国の富裕層と同じく、海外へ「移住」していく日本のお金持ち・・・
その理由と行き先は?=中国メディア

 日本の情報を紹介する中国のサイト・日本通は14日、海外への「移住」が日本の富裕層のブームになっていると伝えた。
  外務省の「海外在留邦人数調査統計」(平成30年版)によると、生活の本拠を日本から海外へ移した永住者の数は、2017年10月1日時点で「48万4,150人」にのぼる。前年比約3.4%(1万5,722人)の増加で、10年前に比べると約14万人増えている。 

 日本のビジネス誌『PRESIDENT』は、かつて「日本の超富裕層が次々に米国移住するワケ」において、富裕層を長年取材してきたジャーナリストが、増加している海外永住者について、「富裕層の人がかなり含まれていると見ていいでしょう」と指摘し、「日本は、今や中国と並ぶ富裕層の輸出大国になっています」と述べていることを紹介した。

 中国メディア・日本通の記事は、日本が「生活レベルはもちろん、医療・衛生などさまざまな面で世界トップレベル」であるにもかかわらず、移住ブームが起こっているのはなぜなのか、と疑問を提示。
 その主な理由として、富裕層の所得税や相続税の負担が重く、税率がさらに上がっていることや、2015年から1億円以上の有価証券を持つ資産家が海外移住すると「出国税」が課せられるようになったこと、2018年からOECD(経済協力開発機構)加盟国間で金融機関の「口座情報」が交換されるようになったことなどを挙げた。

 それでは、富裕層はどこに移住しているのだろうか? 
 日本通の記事は、日本の富裕層が選ぶ移住先の条件として、
 第一に、「相続税がないか、非常に少ない」こと、
 第二に、「プライバシーを守る権利が重視されている」こと、
 第三に、「移住先の生活レベル・衛生・医療などの状況が日本と同じか近い」こと、
 第四に、「日本との距離が遠すぎない」こと
を挙げている。
 そして、資産10億円以上の場合の移住先ベスト3は、
1」:アメリカ、
2」:ニュージーランド、
3」:シンガポール
であると紹介した。
 それ以外に、マレーシアや香港も人気の移住先であり、香港で永住権を取得した日本人はすでに3,000名に達したという。
 富裕層の海外移住を食い止めるのは、日本にとっても中国にとっても難しい課題のようだ。



BBCニュース 2019年03月16日
https://www.bbc.com/japanese/47593652

ニュージーランド銃撃の容疑者、出廷 49人死亡、48人負傷


●殺人罪で訴追されクライストチャーチ地裁に初出廷したブレントン・タラント容疑者(16日、ニュージーランド・クライストチャーチ)

 ニュージーランド・クライストチャーチで49人が死亡し、48人が負傷したモスク(イスラム教礼拝所)銃撃事件の主犯として逮捕・訴追された男が16日朝、クライストチャーチ地裁に出廷した。
 オーストラリア国籍のブレントン・タラント容疑者(28)は、留置所の白いシャツを着て手錠をして法廷に立った。
 発言せず、罪状認否をしないまま勾留が決まった。
 4月5日に再出廷する。
 容疑者は今のところ、殺人容疑1件で訴追されているが、今後さらに容疑は増える見通し。

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は16日に記者会見し、タラント容疑者が銃砲所持免許と共に銃を5丁所持していたと説明し、「この国の銃規制法は変わる」と規制強化の方針を示した。
 デイヴィッド・パーカー司法長官は、政府として半自動小銃の禁止を検討すると述べた。
 首相によると、使用された銃は改造されていたもようで、容疑者の車両には大量の武器があったため、容疑者は「攻撃をさらに続けるつもりだったと推測できる」という。
 他に2人が勾留されている。
 事件当日には計4人が拘束されたが、その内1人は無関係と判断された。
 勾留されている3人はいずれも、犯罪歴がない。

 死亡した49人の1人はダウード・ナビさん(71)だと、遺族が明らかにした。
 ナビさんは1980年代後半にアフガニスタンからニュージーランドに移住したという。
 息子のオマールさんはAFP通信に対し、父親はニュージーランドを「まるで楽園」と呼んでいたと話した。
 他の犠牲者の身元はまだ公表されていない。

 銃撃事件では計48人が負傷した。
 中には、2歳と13歳の男の子も含まれる。
 クライストチャーチ病院のグレッグ・ロバートソン外科部長は、集中治療室で手当てを受けている負傷者のうち11人が重体だと明らかにした。
 バングラデシュ、インド、インドネシアの各政府はいずれも、自国民が事件で死亡したほか、行方不明になっていると発表した。
 クライストチャーチのリアン・ダルジール市長は16日、事件を「吐き気のする」「テロ行為」と呼び、被害者との連帯を強調した。

■「ニュージーランドの最も暗い日のひとつ」 2つのモスク襲撃

 「私たちは新しくこの街に来た人たちを歓迎しました。
 この人たちは友人で、隣人です」、
 「ひとつになって支援したい」
と市長は記者団に話した。
 市役所など行政庁舎では「当面」、旗を追悼の半旗で掲げる予定という。
 クライストチャーチ市内では厳戒態勢が続き、ニュージーランド全土のモスクは閉鎖している。

 最新国勢調査によると、ニュージーランドの人口425万人のうち、イスラム教徒は1.1%を占める。
 ニュージーランドは1990年代以降、様々な紛争地から難民を受け入れるようになり、イスラム教徒の数が急増した。


■事件の推移

 事件の最初の通報は15日午後1時40分(日本時間午前9時40分)ごろ、クライストチャーチ中心部にあるアルヌール・モスクで金曜の礼拝中に銃撃があったというものだった。
 銃撃犯が玄関に乗りつけ、自分を出迎えた人を射殺して中に入り、約5分間にわたりモスク内の信者たちに発砲を続けたという。
 銃撃犯は頭につけたカメラで撮影した動画をライブ配信し、自分はブレントン・タラントだと名乗っていた。
 映像では男が、相手が男性か女性か子供かを問わず、無差別に撃ち続ける様子が映っている。


●「ブレントン・タラント」を名乗るアカウントが銃撃の様子をソーシャルメディアで生中継した

 窓から逃げ出して助かったというモロッコ出身のヌール・タヴィスさんは、地元紙ニュージーランド・ヘラルドに対して、「みんな走っていて、いきなり次々と倒れ始めた」と話した。
 誰かが窓を割るのを見て「自分もそうした(中略)そこから逃げるのが一番安全だった」とも述べた。
 タヴィスさんの友人の妻は死亡したという。
 「銃声を聞いて彼女は夫の無事を確かめに行き、そこで撃たれた。夫は無事だった」
 アルヌール・モスクを襲った後、銃撃犯は約5キロ離れた近郊リンウッドのモスクへ車で移動し、そこでも銃撃を続けたとされる。
 目撃者の1人によると、信者の1人が男から銃を奪い、男は外で待機していた車両に走って逃げたという。

 ニュージーランド・クライストチャーチで70人以上が死傷したモスク銃撃事件の後、市内で警察が逮捕している映像がソーシャルメディアに投稿された
 警察はタラント容疑者を含め15日の内に4人を拘束したが、逮捕の状況は明らかになっていない。
 警察によると、2カ所のモスクで複数の銃器を押収したほか、1人の容疑者所有の車両から複数の即席爆発装置を発見したという。
 銃撃開始前には、「ブレントン・タラント」を名乗るオーストラリア人の白人男性が、攻撃を2年前から計画していたとする長文の犯行声明をフェイスブックに掲載していた。
 声明は激しい反イスラム感情や白人至上主義、移民排斥感情をむきだしにしていた。
 男は、2017年に欧州を訪れて目にした状況に怒りを覚えたため、今回の銃撃を計画し始めたと書いている。
 犯行声明の題名は「The Great Replacement(偉大なる置き換え)」で、フランス発のこの表現は欧州で移民排斥過激主義者の合言葉になっている。
 こうした表現を使う排斥主義者たちの主張は主に、「欧州人」とその文化が移民流入で「置き換え」られており、各国の移民受け入れ政策は「白人虐殺」だというもので、イスラム教徒が主な恐怖や排斥の対象になっている。
 犯行声明の中で男は、イスラム過激勢力「イスラム国」の支持者がスウェーデンで行ったトラック攻撃や、フランスで穏健派のエマニュエル・マクロン氏が大統領に当選したこと、フランスの人種多様性などを強く非難している。
 ニュージーランド・ヘラルドによると、犯行の10分前までにアーダーン首相を含む70人にの文書が送りつけられていたという。

 犯人が被害者に発砲しながら生中継したらしい動画も、フェイスブックに掲載された。
 フェイスブックはこの動画を削除した。

 容疑者の車内で再生されている音楽は、1992~95年のボスニア戦争でセルビア国家主義の民兵組織が行進曲として使ったもので、民族虐殺や戦争犯罪で有罪となったラドヴァン・カラジッチ受刑者を称賛している。


●容疑者のものと思われる銃器

 容疑者のものと思われる銃には、イスラム教徒や移民の殺害で有罪になった男たちの名前が書かれていた。
 そのほか、イギリスで起きた重大な児童虐待事件の場所を指す「ロザーサムのために」という言葉や、欧州諸国とオスマントルコ帝国の歴史上の戦いを意味する言葉などが書かれていた。
 ツイッターも同じ人物のものと見られるアカウントを凍結した。

■首相は銃規制強化を約束

 主犯として逮捕されたタラント容疑者について、アーダーン首相は記者団に「世界中を旅して回り、ニュージーランドにも時々滞在していた」と話した。
「長期滞在者とは言えない」と首相は述べたが、容疑者の名前は正式に特定しなかった。
 治安当局が極右過激主義者の捜査を強化していたものの、「殺人容疑で訴追された人物は、過激主義の要注意人物として情報当局は警察の捜査対象になっていなかった」と首相は述べた。
 アーダーン首相はさらに、「容疑者は銃砲所持免許を持っていた。これは2017年11月に取得したものと聞いている」と説明し、銃規制法の強化を約束した。

★:ニュージーランドでは、16歳から合法的に銃を所持できる。
 軍隊式の半自動小銃の場合は18歳から所持できる。

 銃の所持には必ず免許が必要だが、ほとんどの銃器は個別に登録する必要がない。
 ニュージーランドはこの点で異例だ。
 免許取得には、犯罪歴や病歴のチェックに合格する必要がある。
 精神病や家庭内暴力も審査対象になる。
 いったん免許を取得すると、購入できる銃器の数には制限がない。

■「テロ攻撃としか呼びようがない」

 首相は15日夜の記者会見で、事件は「テロ攻撃としか呼びようがない」と述べ、銃撃犯を「暴力的な過激右派テロリスト」と呼んだ。
 さらにその上で、「このような極端で前代未聞の暴力行為はニュージーランドにあってはならない」と非難した。
 アーダーン首相は、
 「クライストチャーチは、被害者の人たちの地元でした。
 多くの人にとっては、生まれた場所ではなかったかもしれない。
 多くの人は、わざわざニュージーランドを選んだのです。
 積極的にここにやってきて、ここの一員になった。
 多くの人はここが安全だから、この地に来たのです。
 自分の文化や宗教を自由に実践できる場所なので」
と説明した。

 首相はさらに、銃撃犯がニュージーランドを選んだのは、「ここが憎悪や分断にとって安全な場所だからではない」と強調。
 「私たちが選ばれたのは、まさに私たちが憎悪や分断を受け入れないからです」
と述べ、ニュージーランドが攻撃されたのは「多様性と優しさと思いやり」のためで、「私たちの価値観を共有する人にとっての安住の地、避難先を必要とする人にとっての避難場所だからです。
 私たちのこういう価値観を、揺らがせることはできませんし、私たちの価値観が揺らぐことはありません。それは保証します」
と力説した。

(英語記事 Christchurch shootings: Attack suspect Brenton Tarrant appears in court)


ニューズウイーク 2019年04月06日(土)楊海英
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2019/04/nz.php

トルコ大統領の怒りの裏にある、知られざるトルコとNZの歴史問題

●トルコ上陸作戦を行うアンザックの兵士(1915年4月) PHILIP SCHULLERーTHE AGEーFAIRFAX MEDIA/GETTY IMAGES

<「連合国」史観、白人至上主義思想、そして中国
......第1次大戦の激戦からモスク襲撃事件へとつながる点と線>

 3月15日、ニュージーランドのクライストチャーチでオーストラリア人ブレントン・タラントによる銃乱射事件が発生した。
 死亡した50人のほとんどがモスク(イスラム礼拝所)にいたムスリムだったため、イスラム世界のリーダーを自任するトルコのエルドアン大統領は18日、ニュージーランドとオーストラリアを激しく非難。
 両国が反発する事態となっている。
 「チャナッカレの戦いで、あなたたちの祖父は歩いて、あるいは棺桶で帰国した。
 また同じことをすれば、あなたたちの祖父のように棺桶で帰すことになるだろう」

 エルドアンが言及した「チャナッカレの戦い」は、第一次大戦の連合国側では「ガリポリの戦い」と呼ばれる。
 トルコ北西部チャナッカレはダーダネルス海峡に面し、エーゲ海からマルマラ海へ通ずる要衝だ。
 1915年4月25日、イギリスの作戦下、連合国軍が敵国オスマン帝国の要塞を占領しようと進軍し、オスマン軍の犠牲は死傷者約16万人に上った。
 だがムスタファ・ケマル大佐の果敢な抵抗に遭い、作戦は失敗に終わった。
 オーストラリア・ニュージーランド軍団(アンザック)も3万5000人以上の死傷者を出し、多くの兵士が棺桶で帰国の途に就いた。
 英連邦に属する両国にとって初めての本格的な海外派兵だっただけに、名誉ある軍功を勝ち取ろうとしていた。
 大敗は想定外だったが、今の国際社会では戦勝国としての連合国史観が主流のためだろうか。
 両国では毎年4月25日は「アンザック・デー」として、大々的な祝日となっている。
 筆者は17年にオーストラリアのキャンベラでこの行事を視察し、死傷数と戦功との「落差」について深く考えさせられた。
 一方、エルドアンやトルコにとって、ニュージーランドの銃乱射テロは「チャナッカレの戦い」から変わらない、西洋からイスラム世界に対する理不尽な暴力と映ったようだ。

■「多様性なき国」に共鳴

 そうした見方の背景には、チャナッカレ以後のトルコの歴史がある。
 英雄ケマルは大佐か高官(パシャ)に昇進。
 23年にはオスマン帝国を倒して共和国を建設し、「建国の父(アタチュルク)」の地位を得た。
 だが国は英連邦軍に勝ちながら、「ヨーロッパの病人」と呼ばれた弱い立場を逆転できなかった。
 しかもトルコはイスラム教国であるため、どんなにEU加盟交渉をしてもヨーロッパと肩を並べることさえできない。
 イスラム信仰を捨ててまで「ヨーロッパ人」になる発想がなく、オスマン帝国の再興を夢見るエルドアンからすれば、チャナッカレ以来の差別は続いている。

 その点で、テロ犯タラントが73ページにも及ぶ声明文の中で、中国の全体主義思想を称賛していたことは注目に値する。
 エルドアンは2月に、「ウイグル人弾圧は人類の恥」と中国によるイスラム敵視政策に注意を促したばかり。
 事実、タラントは中国共産党政権によるウイグル人弾圧の報道を知り、「多様性なき国家」中国に共鳴するに至ったと指摘されている。
 ニュージーランドのテロを受けて、中国共産党系のプロパガンダ紙「環球時報」幹部はネット上で、「過激派のテロ行為を事前に抑え込んでいる」と、改めて新疆ウイグル自治区での強制収容を正当化している。

 ニュージーランドのテロ事件は私たちに2つのメッセージを示唆している。
1」:第1に、イスラム世界に対する差別と偏見の根は深いことだ。
 それはともすれば、西洋諸国を「正義」と見なす連合国的な歴史観とも連動している。
2」:第2に、暴力に正当性が与えられている背景には、中国の存在が無視できないという点だ。
 中国の少数民族弾圧という暴力は国内にとどまらない。
 今回タラントが声明で称賛したように、中国の手法は各国の独裁者たちに加え、確実に個々のテロリストにも「輸入」されるようになってきたのだ。

<本誌2019年04月09日号掲載>






 



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